打ち込みベースは重厚感を出せるか
ドラムスに次いで打ち込みに使われるのが ベースです。
ドラムスとともにリズムのボトムなので、
両者を打ち込みにすると構成やアレンジが立てやすいです。
ただし、ベースはメロディ楽器でもあるわけで、
表現ベクトルがリズムだけじゃないということにポイントがあります。
ドラムスは打ち込みで表現するのに、
強弱とノリを理解していれば 良い音が生み出せるのに対して、
ベースは そこに人間的なゆらぎやブレのようなものまで意識しないと
“ベースっぽい”音にはなりません。
まあそれは、生ベースを追及するならば ということになりますが・・・
テクノ系のように、わざと機械的なベースをやるなら打ち込みはお手の物。
そういう棲み分けで、いまは成り立っていると思われます。
さて、ちんすけはベースギター持ってるし、弾けばよいのですが、
またまた打ち込みにこだわっています。
自分的に 弾くことの一番の問題は、リズム感と運指。
前にも書いたように、ちんすけはリードギターが下手です。
つまりは主に単音で弾くベースも苦手なんです。
アタマの中で鳴らしたいように弾けないのです。
それが現実、だから打ち込みなんです。
消極的に見えますが、
これはこれで良い音作りのそれこそベースにはなってますよ。
ベースの打ち込みでよく感じるのは、重厚感が足りないということ。
さすがに空気を切り裂き 腹にズシンとくる重たさは出せません。
デジタル振動の限度を超えられないからでしょうか。
感覚的に、クラシック音楽の音圧・音量幅が
ポピュラーミュージックの比じゃないことに近いと思います。
少しでも生のボリュームを出すための方法は・・・
実践①:2つの音を重ねる
違う音色のベース音を同時に鳴らして音を厚くします。
これは真っ先に考えることですが、
いろいろ試してみて楽曲に合った音を見つけます。
聴いたときに、ダブるようなディレイな感じがあったら修正します。
一方を作ったら、もう一方をコピペすればわりと簡単です。
同じ音色だと干渉を起こして逆に音が弱まるので注意。
実践②:別の音を足すまたは換える
①に似てますが、これはここぞという強調したい箇所向けでして、
音を太くしたいところにオクタープで加えたり 別の音色を加えます。
チョッパー風にしたい時は、サンプリング音(本物の音)を使います。
これは『見上げればバナナムーン』のBメロで実践しています。
※左上のリンクから曲をお聴きください
実践③:ベース以外の音色を使う
これも『見上げればバナナムーン』で実践してるのですが、
この曲のベース音色は実は「ミュートギター」です。
偶然使ってみて良かったので本番でも使ってますが、
アタックのチョイ遅れるところとかが指で弾いたようにイイ感じです。
さきほどのチョッパー弾きの箇所では、
アタックが遅れるのはカッコ悪いので 修正して使ってます。
ほかにクラビネットやエレピなどの鍵盤楽器や、
管楽器の音色でベースをやらせるのも面白いです。
ちんすけのソフトはあまり音色をいじれないので、
音色いじって具合の良い音が作れるのであれば
それに越したことはないですけどね。
重厚感を出すのに どうしても打ち込みは弱いでしょうけど、
聴感上の表現バリエーションでは 生以上の可能性があると思っています。