緊張の音 おしゃれな音 その13
上昇志向なコードはおしゃれになれるし 緊張感も出せる♪
何のことかと申しますと、すでにこのブログでは使ってますが、
コード進行の定番というか 王道というか、下降コード進行というのがあります。
たとえば
C→Em/B→Am→Am7/G
音を聴けば「ははぁ~ん」と一発でわかりますね。
ベースラインが1音ずつ下がっていくアレです。
もうひとつ
Am→AmM7→Am7→Am6
こちらは同じルート(根音)の内側の音が半音ずつ下がっていきます。
展開としてはどちらもわかりやすくて聴きやすいと思います。
こういったコード進行をバラード進行とか カノン進行とか クリシェ進行とか
名前がついていて、「小室進行」というのまであるようですが、
そんな言葉をおぼえるのは面倒なので、
ひっくるめて 上昇進行・下降進行といたします。
上がるか下がるか ですね。
ということで、ここからは上昇コード進行のお話をします。
身近なところで ちんすけがやっているギターデュオ“ケーちん”の
相方・ケーシンが作った曲に良い例があるのでみてみましょう。
あ、身近なのは自分だけですね。曲知らないですもんね・・・
『肩越しの貨物船』という曲、そのBメロです。
C→C+5(=Caug)→C6→C7
Cコードの「5」音「ソ」が半音ずつ上がっていきます。
なんとなく不思議な、これから何かが起こりそうな感じがしませんか?
aug(オーギュメント=+5)という音は とくにその先を期待させる音ですね。
Bメロに使われているということは、
Aメロからサビに向かう大切なつなぎ役を担ってることもあります。
この曲には聴きどころがたくさんあって、転調してるようでしてなかったり、
ちんすけが使わないような意外なコード進行が出て来たり
でも意図がしっかり通っていて、おしゃれ以外の何物でもない・・・
さすが相方なのであります。
二人ともこういう曲作るから「おしゃれ系POPS」を名乗っています(笑)。
さて 例その2ですが、ツイスト・世良公則のヒット曲『燃えろいい女』です。
その出だし イントロのコード進行
E→Esus4→Em(-5)→E
Eコードの「3」音が半音ずつ上がってゆく上昇進行。
3つ目のコードは3弦を3フレッドに移動するだけではもろに不協和音なので、
Edimとしたほうが理論的にはあってますが、ロックですからね・・・
sus4(サスペンデド・フォー)、 -5 もしくはdim(ディミニッシュ)
2つのコードで、ざっくりと粗削りな感じが出せて効果的です。
上昇コード進行は同じおしゃれでも、下降よりも緊張感が高そうですね。
こんなふうにテンションコードやコード進行は、
曲のイメージに大きくかかわっています。
昔の唱歌や童謡も、コードを付け替えると
カッコよくなったりおしゃれになったりしますよ。
オリジナル曲やライブでやる曲の、アレンジの愉しみでもあるんです。
ではなつかしい『燃えろいい女』を置いておきます。