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見上げればバナナムーン

ちんすけの音楽とよもやま話のブログ♪

緊張の音 おしゃれな音 その17

「恋ボッサ」その後♪ こんな風にアレンジしました・・・ 


2016年後半の大ヒット曲「恋」。
1月29日のブログで、ボサノバチックに演奏するテーマで書きました。
→こちら

 
ミッション発令から5カ月、だいぶ演奏に余裕が出てきたので
いま一度、アプローチを確認してみようと思います。


ダンサブルなこの曲をボサノバっぽくアレンジするのに
まずテンポを落としました。
前回キーは原曲と同じで説明しましたが、少し下げます。
ちんすけはソロの時は半音、ケーちんでは1音下げてみました。
ボサノバというのは、わりと語り掛けるように歌うので
低めのキーにしたほうが似合います。

ここからは1音下げたキーでお話を進めます。

イントロですが、こんな感じです。
ちんすけが弾く弦しか音は出していませんので 念のため。
CM7 - F7-5 - Em7 - G7(9)
→こちら

ここを弾くだけで「恋」の感じがわかりますね。
注目は2番目のコード。前回を踏襲すると F7(9) でしたが、
「9」でなく「-5」の音のほうが良いのではと思い、かえました。

イントロのコードは少し練習が必要ですが、
指でつま弾く弦だけを押さえればよいので この後はだいぶ楽に弾けます。
とはいえ1拍ごとにコードが変わるところもあるので、難易度は高いです。

歌い出しAメロ1発目のコードのボイシングは大事!
Gadd9 - B7/F# - Em7 - G#dim
→こちら

「9」の音が曲調をボッサに引き込みますよ。
で、2つ目のベース音「F#」を弾くことで、下降ベースラインを構成し、
トリッキーな印象だったイントロから落ち着きを見せます。

続いてもいい感じの下降進行ですよ。
CM7 - G/B - Am7 - Am7/D
→こちら

押さえる弦を少なくして、速い展開について行けるようになればしめたもの。
興味ある方は、コード譜サイトもあるしYouTubeにいろんな演奏もあるので、
ためしてみてください。

「恋」ボッサは ソロでもケーちんでも面白いので、
しばらくはレパートリーになりそうです。

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緊張の音 おしゃれな音 その16

分数コードをわかりやすくほぐします♪ 


Am7/D とか C/G とか書かれているコードのことを分数コードといいます。
しかし普通「ここは分数コードで」などという言い方はしません。
「AマイナーでベースはDね」みたいに言います(よね?)
分数コードは、つまりは説明用ですね。
書き方が分数みたいだからでしょうけど、数字じゃないし。
上に乗っかるコード(分子)/一番低いベース音(分母)
といえばわかりやすいでしょうか。

注意点は2つのコードが分数として存在するのではなく、
分母は単音で、分子がコードつまり和音だということです。
ここ間違えることあります。
2つのコード頑張って弾いちゃったりして・・・ いないか・・・

そういうことでして、ベース音を指定することで曲の表現が広がったり、
なめらかな流れに出来たりします。

ほら、あれですよ。下降進行コード
C - Em/B - Am - Am7/G

これですね。コードのルート(根音)がベース音でない場合は、
分数コードで指定してやれば 希望通りの音楽になるわけです。

ここで出てきた Em/BAm7/G ですが、
どちらも分母のベース音が、分子のコードに含まれる音になっています。
このような場合、例えばギターのコードストロ-ク演奏ならば
ベース音を考えずに弾いても問題ありません。
アンサンブルを重視するならば、ベース音を意識したほうが良いですけども。

分母はベース音だからEm7onB という「オン・ベース」の書き方もあります
ご承知おきを。


さて、分数コードにはもう一つの種類があります。
上とは逆に 分母のベース音が、分子のコードに含まれない場合です。

初めに登場した Am7/D がその例です。
こちらが実は重要で、キチンと表記しなかったり指定通り演奏しないと、
キッタナイ音を発してしまうおそれがあります。
もっとも、コードに含まれない音を発すること自体 不協和音ですから、
弾き方やアンサンブルによっては濁って聴こえます。
でも、そういう音が入ることで緊張感が ・・・緊張 ・・・緊張の音
・・・そうです、この場合のベース音は、テンション音でもあるのです。

テンション音はさらっと付け加えるのがお洒落ではありますが、
ベース音でドカッ!とぶつけるのも効果的ですよ。

Am7/D はテンションコードで表記できるので、
それは D7sus4(9) となります。音はこちら

指一本で押さえるコードのくせに、表記はめんどくさいでしょ?
どっちがわかりやすいですか?
わかりやすさ、イメージのしやすさを考えて 表記を選ぶこともあります。
A音を残してる5弦をルートにすると Am7(11) にもなりえます。

前にも言ったかもしれませんが、
だいたいテンション音がいくつもあるめんどくさいコードも
押さえ方が簡単だったり、3和音の構成音を省いても成立したり、
曲中の使う位置でも変わるなどいろいろありますので、
自身で弾いてみて「これだ!」というのを見つけると、
さらなる進歩につながると思います。

ギターは暇なとき「ジャラ~~ン」と弾くともなしに鳴らしてるだけで、
耳が慣れていろいろわかってくるんです。

むつかしいでしょうか・・・

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緊張の音 おしゃれな音 その15

鳴らし続ける音もある♪♪


純粋なテンション音の話とは少し系統が違うのですが、
コード進行で同じ音を鳴らし続けるにも、テンションがご活躍というお話を。

まず G - C - Dというコード進行があります。
ふつうに綺麗な和音の響きです。

この基本コードを いくつか同じ音が鳴り続けるように味付けをします。
それがこちら
G(omit3) - Cadd9 - Dsus4

先ほどとはなんか違った感じですよね。おしゃれです。
omit3 は書かなくて構いませんが、1 と 5 の音を強調するため表記しました。
2つめは、おしゃれな感じにしたいときにうってつけの add9が入りました。
3つめは sus4コード。
1・3・5の3の代わりに 4を使ったコードです。
このコードは 1・3・5に戻りたくなる感覚を醸し出す つなぎとめ役ですね。
そしてどのコードも 1弦と2弦の3フレットを押さえています。
つまりこの2音はずっと鳴り続けているのです。

いままで 下降コード進行や上昇コード進行を取り上げましたが、
同じ音がずっと鳴ってるコード進行というわけです。
で、Dsus4のあとに Dを持ってくると、戻りたい感覚が達成されます。


次に今のに似ていて、なおかつテンション音を使わない好例を挙げます。

村田和人さんの「ビートルズを聴いてはいけません」という曲のサビです。
C - Em/B - Am7 - Am7/G

一番高い G音(ソ)がずっと鳴っていますね。
これは曲に緊張感を持たせた上、下降進行のベースラインを引き立ててもいます。
小指を使って1弦を押さえていますが、
これは村田氏のソロ演奏をYouTubeで見て分かったことでして、
「これ、いただき!」ということで ちんすけもやらせていただいております。
バンドサウンドのバージョンと違っていて 良いのです。

ビートルズのジョン・レノンが小指で押さえる癖があると 前に書きましたが、
こういう感じなのではないかと思います。

ギターコードは一通り覚えたら、押さえ方のバリエーションを増やしていくと
いろいろな音作りが出来て 楽しいですね。

今回は鳴らし続けるおしゃれな音の話でした。

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緊張の音 おしゃれな音 その14

つなぎとラストに響けよ6th♪ 


ジャズだと「C」とコード表記があったら「CM7」か「C6」で弾くという
暗黙のルールがあるそうですが、ポピュラーではさすがにそんなことはなく、
それぞれ使う意図でもって使い分けてます。

ちんすけの曲でブログタイトルにもなっている『見上げればバナナムーン』は、
いろんなワザ、というか仕掛けを盛り込んでいまして、
M7thや9thのほかにも 6thを効果的に使っています。

どこかといいますと、この曲のキーは「F」ですが、
ジャズルールで触れた FM7 - F6 を使うことで「F」を表現しています。

実際に弾くときは1弦と5弦をミュートしてる(弾かない)のでこうなりますが、
Fだけで通したり、F7を入れるより、ゆらぎ感、ふわふわ感、増量です。。


つぎに、曲終わりに6thを持ってくると効果的になる例です。

ライブの時にある人から
「終わりのコードいいねえ」と言われたことがありました。
それは、『ぶらん-にゅう』という曲の最後にかき鳴らすコード G6でした。

A♭ - D7 - G6 と おしりをGではなく G6にするのです。

なんかいい感じでしょ? まあ常套手段ではあります。

もうひとつ、『ポーカーフェイス』という曲では
Bm7 - E7 - A - A6(9) と、あえてAに行ってから A6(9)で締めてます。

6thに9thも鳴らして、さらに浮遊感のあるエンディングになりました。


1オクタープ12音で 3つ以上音が重ねられてコードが作られますが、
隣同士、つまり半音同士が同時に鳴るコードだと 音が濁って感じられます。
そういったことから、バロックなどクラシック音楽では
CM7は不協和音とされてた時代もあったのだとか・・・
かわりに C6が多く使われていたそうですよ。

現代のポピュラー音楽では「おしゃれ」だと言って CM7普通に使ってます。
音楽は人間の感覚で成り立っているので、
とらえ方は時代や地域によってかわってくるものなのでしょうね。
ジャズなどは 目いっぱいテンション音=不協和音鳴らしてますもんね。
好き嫌いがはっきりしてる音楽ですし。

ちんすけは、音楽は刺激的であるほうが 興味をおぼえます。

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緊張の音 おしゃれな音 その13

上昇志向なコードはおしゃれになれるし 緊張感も出せる♪

何のことかと申しますと、すでにこのブログでは使ってますが、
コード進行の定番というか 王道というか、下降コード進行というのがあります。

たとえば
C→Em/B→Am→Am7/G

音を聴けば「ははぁ~ん」と一発でわかりますね。
ベースラインが1音ずつ下がっていくアレです。

もうひとつ
Am→AmM7→Am7→Am6

こちらは同じルート(根音)の内側の音が半音ずつ下がっていきます。

展開としてはどちらもわかりやすくて聴きやすいと思います。
こういったコード進行をバラード進行とか カノン進行とか クリシェ進行とか
名前がついていて、「小室進行」というのまであるようですが、
そんな言葉をおぼえるのは面倒なので、
ひっくるめて 上昇進行・下降進行といたします。
上がるか下がるか ですね。

ということで、ここからは上昇コード進行のお話をします。


身近なところで ちんすけがやっているギターデュオ“ケーちん”の
相方・ケーシンが作った曲に良い例があるのでみてみましょう。
あ、身近なのは自分だけですね。曲知らないですもんね・・・

『肩越しの貨物船』という曲、そのBメロです。
C→C+5(=Caug)→C6→C7

Cコードの「5」音「ソ」が半音ずつ上がっていきます。
なんとなく不思議な、これから何かが起こりそうな感じがしませんか?
aug(オーギュメント=+5)という音は とくにその先を期待させる音ですね。
Bメロに使われているということは、
Aメロからサビに向かう大切なつなぎ役を担ってることもあります。

この曲には聴きどころがたくさんあって、転調してるようでしてなかったり、
ちんすけが使わないような意外なコード進行が出て来たり
でも意図がしっかり通っていて、おしゃれ以外の何物でもない・・・
さすが相方なのであります。
二人ともこういう曲作るから「おしゃれ系POPS」を名乗っています(笑)。


さて 例その2ですが、ツイスト・世良公則のヒット曲『燃えろいい女』です。
その出だし イントロのコード進行
E→Esus4→Em(-5)→E

Eコードの「3」音が半音ずつ上がってゆく上昇進行。
3つ目のコードは3弦を3フレッドに移動するだけではもろに不協和音なので、
Edimとしたほうが理論的にはあってますが、ロックですからね・・・
sus4(サスペンデド・フォー)、 -5 もしくはdim(ディミニッシュ)
2つのコードで、ざっくりと粗削りな感じが出せて効果的です。
上昇コード進行は同じおしゃれでも、下降よりも緊張感が高そうですね。

こんなふうにテンションコードやコード進行は、
曲のイメージに大きくかかわっています。
昔の唱歌や童謡も、コードを付け替えると
カッコよくなったりおしゃれになったりしますよ。

オリジナル曲やライブでやる曲の、アレンジの愉しみでもあるんです。

ではなつかしい『燃えろいい女』を置いておきます。

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