あの「ジャーーーン!」をギター1本で鳴らす!
ビートルズの"A Hard Day's Night"
イントロを攻略してみましょう。
発表から50年以上たった今も話題に上る、超有名な出だしのフレーズ。
「ジャーーーン!」一発で曲を、いや、映画を、
いや、ビートルズそのものを印象づけた
音楽史上でもかなり意義のある1フレーズだと思います。
弾いてるコードは何なのか?
1990年代までは G7sus4 だと 大方の譜面などに書かれていましたが、
ジョージ・ハリスンが今世紀になって
「Fadd9だった」と言ったことで、いちおうの決着がつきました。
ライブの映像などからも 6弦から1-0-3-2-1-3フレット
6弦は親指で押さえるポジションがそうです。
ギターだけなら、これで正解と思われます。
G7sus4(2種類)とFadd9の音はこちら
しかしそうだとしても、まだいろんな音が聴こえるのも確か。
そこで、ちんすけは
「ギター1本で弾くならどうすれば原音に近いか」
をプチ研究してしまいました。
音の構成はどうなっているか?
最近では音を解析するソフトがあって、
それで各楽器を分析すると、鳴ってる音は次のようになったということです。
(ピアノの鍵盤の中央のドが C4 とお考え下さい)
ギター1(右・ジョン)F2-A2-F3-A3-C4-G4(←これがFadd9)
ギター2(左・ジョージ)F2-A2-F3-A3-C4-G4
(12弦ギターなので複弦がF3-A3-F4-A4-C4-G4ですが、便宜上省きます)
ベース(左・ポール)D2
ピアノ(右・G・マーチン)D2-G2-D3-G3-C4
そう、ベースでD音を出し、ピアノでフォローする形になってるんですね。
以前の見解 G7sus4だと何が違うかというと、
ギターにD音が入っていることと、A音が入ってないということ。
全部の音を一列にあらわしてみます。
D2-(F2)-G2-A2-C3-D3-F3-G3-A3-C4-D4-G4
最低音がベースとピアノで鳴らし、最高音がギターです。
さて、なぜF2を( )書きにしたのでしょう?
理由は どうしても低いところのF音が聴こえないからです。
ギター2本で鳴らしているはずなのに・・・
そこで考えました。
これはFadd9を弾くときの親指は、押さえているのではなくて
ミュートしているのではないか!? ということです。
これはあり得るのではないでしょうか?
ギター1本で弾くならこうだ!
本題です・・・で、いきなり結論です。
ギター1本で弾くとすれば、最も原音に近い押さえ方は、
F6(9)/D または Dm7(11) であると考えます。
どちらも押さえ方は一緒です。
ポイントは、すべて鳴ってる音をベースのD音も含めて入れたことです。
ローポジションもジョンたちに近い押さえ方なので ありでしょうけど、
上に書いたように 低いF音が無いと思われるので、
ハイポジションとしました。
聴いてみてください。
左が正解のハイポジション、右がローポジションです。
ジャーーーン!
いかがでしたでしょうか?
いろいろ解析されたことや、実際に聴いた感覚でみちびき出しました。
え~~?ちんすけが新しい見解を出した!?
・・・まあ そういうことにしておいてください(ムフフ)
もちろん あれだけ研究されてますから、初とは言いません。
では本家本元『A Hard Day's Night / THE BEATLES』をどうぞ♪
余談ですが、
この映画の監督が「アタマにインパクトが欲しい」のと
「エンディングにはフェードアウトが欲しい」と現場で云ったことで
急きょ加えられたと言われています。
エンディングのアルペジオはジョージが弾いてますが、
ここのコードはまさに Fadd9。
オープニングとエンディングの一貫性が生まれたわけです。
さすがはビートルズ。感性あふれるエピソードです。